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【2018年10月号】気候・風土を含む季節的事故に備えた国土点検と災害対策

若い頃より、8月には友人などを誘って北海道でやや長期 に過ごすことが多かったが、近年は盛夏を過ぎてから北海道 を旅することが多くなった。今年も以前から9月に入って北海 道を旅する予定でいて、9月2日に夫婦で北海道入りをした。 その日は小樽泊で海上の花火や篝火を楽しんで、その後数日 を過ごす予定でいた。幸い小樽での夜は好天に恵まれてナ イトツアーを楽しんだが、残念ながら翌日から台風の影響を受 け、さらにその後は地震など天候異変に見舞われてどうなるこ とかと気遣われた。その後千歳にホテルを転じたが、たとえば 3日目には地震の影響で交通機関がストップし、空港前には 長蛇の列ができ、さらにホテルのロビーには大量の客が座り込 んでしまうような事態になった。我々も千歳のANAホテルを長 期予約していたが、この異変でホテル側が建物の点検のため にいったん全員退去を願いたいというような事態で危ぶまれ た。しかし強引に頼み込んで、予約の確保に至って事なきを 得たが、大量の旅行難民がホテルや空港周辺にたむろしたり 座り込んだりして大変な様相であった。幸いわが方は予約の 実行一点で仕切ったが、ホテルフロントはロビーに大量の待 機客を抱えて騒然としていた。地震そのものは、ちょうどホテル 2階の部屋で体感したので、大した揺れとは思われなかった が、震度7という報道もあり、かなりな影響をもたらしたものと思 う。ホテル内外の混乱や交通機関の混乱など、相当なもので あったとみられるが、幸い我々は実害がなく過ごせたのは幸 運であった。ただ、この体験はかなり深刻だったように思われ る。

まず北海道290万人を含め、道内の通信交通機関は一 切ストップして回復困難となり、被害さえ情報が入らぬ状況と なった。我々もANAホテルに滞在していてその後の予約も確 保していたが、ホテル側は設備点検と称して全員のホテルか らの退去の申し入れが来たり、予約電話が不通のため確認 できないのでいったん解約などという不当な申し入れがあった りして、彼らも客に対応できない状況に陥っていた。いわば人 口290万人の北海道の公的機能が一切麻痺状況に陥ったと いうべきで、これは改めて考えれば大変な試練というべきであろ う。大変な事故には陥らなかったことが後に分かったことである が、もし何かが起こっておれば大変な二重災害か、クライシスを 招いたこととみられる。これを貴重な体験として、公私ともに今後 の対策に徹底した対応が重要と言えよう。
(会長・板東 慧)


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