機関誌Int

lecowk

地球儀 メガソーラーシステムが国際的に認定されている

(公社)国際経済労働研究所 所長 本山 美彦

 1970 年代初めの「ニクソン・ショック」を契機として、生産現場はますます大金融力の配下に組み込まれるようになった。世界的規模で「メガソーラー」の設置が進む中、メガソーラーは、市民的な利益から一部の金融力の利害関係だけで動かされるようになっている。

 大金融力の支配下にあるA社は、今年の6月、日本のメガソーラーシステム社としては初めての「I-REC」(International Renewable Energy Certificate、アイレック)の発行が認可された。I-REC とは、オランダに本拠を置く特定非営利活動法人(specified nonprofit corporation)の I-Tracking 規格財団(International Tracking StandardFoundation)が認可した環境保護優良会社に発行する国際的な再エネ属性証書である。この財団には、タイ、ベトナム、フィリピン、インドネシアなど、主としてアジアの 60 か国が「準拠法(Governing Law)国」として参加している。準拠法とは、契約にどの国の法律を利用するかを決める法律のことである。

 I-REC は売買でき、金融ゲームの格好の武器となる。「GHG プロトコル」(温室効果ガス測定手続き、Greenhouse Gas Protocol)の取引市場に参入することができるからである。

 世界の大金持ちが競ってこの種の財団を運営している。地球環境の改善のためだとの名目を掲げて、世界各地にメガソーラーを設置している。

 地表を完全におおってしまう、それこそ巨大なメガソーラーの写真が、このシステム運営自社の宣伝媒体として使われている。

 一定期間、固定価格で買い取る義務を各国は自国の電力購買者に義務づけている。ソーラー各社は、安心して発電できる。しかも、買い入れ価格は市場価格を上回る固定価格制度が一般的である。急速に進められたコメの減反政策の結果、農地として使うあてのない大遊休地の保有者たちが、競ってメガソーラーを導入している。いまや、全国各地で、ながめるだけでのけぞりたくなってしまう巨大なメガソーラーが設置されている。緑豊かな草地なども見るのも難しい状態である。それこそ、地球の土は大丈夫なのか?

2025.9

一覧へ戻る