第58回共同調査 コミュニティ・ウェルビーイングの向上とアドボカシー

政策立案やアドボカシー活動を調査によって支え
地域コミュニティの課題解決を目指す

未組織の人びとを包摂して地域の課題に向き合い、労働組合の枠を超えた地域生活者のアドボカシーを展開する――21世紀の労働運動に期待されながらもまだ完全に花開いてはいないこのムーブメントを推進するために、本共同調査は生まれました。


私たちは、調査を通じて地域住民の声を聞き、地域が抱える課題の所在を明らかにすることで世論を形成したり、それを踏まえて政策立案・要求をおこなったりすることで、地域の生活を改善するアドボカシー活動を展開することができます。

本共同調査は、こうした「コミュニティのウェルビーイング向上を目指す運動」をデータの面から支援・推進するとともに、各地域のウェルビーイングを比較し、各地域で活動する組織が互いの取り組みに学ぶことを目指す協働のプロジェクトです。



3つの特長

  • 1未組織労働者、一般市民へのリーチ

    地域課題に向き合った活動を展開するには、労働組合がその枠をこえて一般市民にリーチし、その声を集約することが欠かせません。そのためには、課題にしたがって適切なターゲットやアプローチを見極める調査デザインと、市民の声を説得力あるエビデンスとして活かす分析が必要です。こうしたトータルな観点と、社会調査に関する専門的スキルにもとづいて、地域視点の運動を推進します。

  • 2「コミュニティ・ウェルビーイング」の7つの指標をデータ比較

    それぞれが固有の関心にもとづいて調査に参加しながらも、それを通じて蓄積されるデータは他の地域で、または未来のあなたの地域で課題に取り組もうとする仲間のリソースにもなる――これが「運動」としての共同調査がもつ特徴であり、強みです。
    本共同調査では、コミュニティ・ウェルビーイングを評価する7つの指標(*)を共通の調査項目として取り入れ、各調査で得られたデータを蓄積することで、タテ(経年)・ヨコ(地域)の比較が可能なベンチマークを構築します。本共同調査に参加することで、そのベンチマークを利用できるとともに、その拡充に寄与していただくことができます。

    (*)7つの指標は、コミュニティ・ウェルビーイングを構成する7つの要素にもとづいて作成しています。
    (参 照:McCrea et al., 2014, “A Conceptual Framework for Investigating Community Wellbeing and Resilience” DOI:10.1080/10371656.2014.11082070)
    (1)サービスと施設 (2)環境 (3)経済
    (4)社会 (5)政治 (6)健康
    (7)愛着
  • 3他セクターとの協働の可能性

    地域で課題解決・アドボカシーに取り組むには、ときとして他セクターの人びととの協働が求められます。同じ課題に取り組むパートナーとして、またあるときは調査協力者(インフォーマント)として、多様なアクターと協働して調査に取り組む可能性を、本共同調査では積極的に追求します。
    このように、地域のアクターをつなぐ協働的な調査を広げていくことが、よりリアルな地域の現状を把握することに活きると同時に、ともに課題解決に取り組む仲間を増やす第一歩になると、わたしたちは信じています。

調査実績

  • 連合茨城

  • 関連実績

    本共同調査には含まれませんが、関連する受託調査として以下の実績があります。これらを契機として、本共同調査を立ち上げました。

    • 連合東京「生活実態アンケート2024」(2024)
    • 連合滋賀「大津市民選挙前住民アンケート」(2023)
    • 連合大阪「最低賃金に関する意識調査」(2023)
    • 連合東京「生活実態緊急アンケート」(2023)
    • 連合大阪「“未来の大阪”の生活と政治をかんがえる府民アンケート」(2022)
    • 立憲民主党大阪府総支部連合会「大阪府民世論調査」(2021)