本サイトへ戻る
カテゴリー一覧

【2017年7月号】不活発な国会審議と政策論議の不徹底

共謀罪法案をめぐる国会が閉会したが、その後の報道各 社による世論調査結果によると、安倍内閣の支持率が急落 しており、一強安倍内閣の前途に暗雲がたれこみ始めた。 四国での獣医学部設立をめぐる動きの中で、加計学園との かかわりを巡る安倍首相の行動への不信を抱えたまま、憲 法改正を唱えた安倍首相の提起に対する自民党内有力者 の不信による動揺が広がる中、安倍首相は加計学園問題 への弁明を行ったものの、小池都知事による都議会自民党 分裂を抱えたまま、新たに都民ファーストの会の結成による 新局面を迎える都議会選挙を控えて、長期戦略に影がか かっている。にもかかわらず、自民党内ではこれらの問題を 巡る批判が明確化されず、うっとうしい空気が流れるにとど まっている。安倍首相はこの状況に対して、内閣改造とアベ ノミクスのさらなる強化で乗り切ろうとしているが、都議選の 結果はこれに混迷をもたらすかもしれない。

しかしながら、この安倍政権を攻め込むべき野党に目を転 じると、これまた世論調査では最大野党の民進党の支持率 は8%程度と低迷し、与党の支持率低落に対して全く反抗 を示す勢いがなく、蓮舫党首が生まれても何の新しさもなく、 与党の失態による反転攻勢の勢いもない。もともとこの間の 民進党は党内がバラバラで、政策的に与党と対決して追い こんでゆくような政策を磨く努力もなければ、政策的に対決 する努力もなされず、ただただ議会戦術としての駆け引きに 終わっており、野党全体を結集して有効な与党との対決が できていないのが現実である。この支持率に見るように、国 民一般は野党の政策的洗練による与党の敵失攻撃を期待 しているが、まったくそれがみえないふがいなさを囲っている のが実情といえる。まさしく野党、特にその中心である民進党 の奮起を促すところであろう。
(会長・板東 慧)


地球儀 の他の最新記事