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【2010年4月号】無残な政権交代の結果?政界再編成に動くか

前月の本欄 で「迷走続く鳩山内閣」について論じたので、今月も続いて同種の論評をするのはいささか気が引けるが、書かざるを得ない事件が続いている。民主党のトップ 2人の「政治とカネ」の問題がわが国政治の最大の問題点になっている中、北海道教組からの民主党小林代議士陣営への不正な選挙資金提供で、教組幹部や選挙 会計責任者の逮捕に至り、金権政治がさらに露呈したのは誠に不届きな話である。最近の鳩山内閣支持率は筆者が前回指摘した通り、時事通信調べで 30.9%、共同通信調べで36.3%(「参院選での民主過半数望まず」58%)、NHK調べで38%、不支持率はいずれも50%前後となった。これには 大幅な無党派層の不信が反映していることは明らかである。

普天間移転問題で、鳩山首相が昨年「12月15日午後7時半すぎ、官邸5階執務室。急きょ訪れたルース大使に"しかるべき時期になれば、日米合意に戻し たい。任せてほしい"と言い切った。」「これを受け、大使が動いた」「大使は最後に現行計画に落ち着くと確信した」「だが、1月の名護市市長選での反対派 当選で情勢は一変。政府、与党は現行計画以外の検討にかじを切り、(中略)首相の"口約束"が不信感を強め、現行計画の履行を求める米側と日本の溝が拡大 する背景となった。」(神戸新聞2010年3月12日朝刊トップ記事)と、オバマ大統領への首相の「Trust me」発言以来再度の大ポカをやってのけたことが最近暴露された。かくも外交上の大失策と、しかも昨年来「移転先は県外・国外」と公言して、明確な提案も 具体化の努力もないまま、沖縄県民はもとより国民をふりまわしてきた罪悪は重い。「政治とカネ」問題とマニュフェストへの不誠実な対応など、小鳩体制はさ らに混迷を深める。国家戦略・経済回復戦略が不明確で、国民負担の増大の可能性もみられ、ただただ多数派形成マキャベリズムが先行する政権の下で国民の不 安は高まっている。4月には内閣支持率は2割台となろう。民主党内も遅がけながらようやく揺らぎ始めた。連合内部からも北教組問題や小沢型選挙への批判が 高まらざるを得まい。5月連休前後に政局は動かざるを得ないであろうし、このままだと参院選で民主は手痛い国民の批判にさらされよう。野党自民の体制がふ らついているので追求が弱いのが困るが、政界再編に向けた動きも出始めた。ようやく実現した政権交代は無残な姿を露呈しつつあり、政界再編過程に入らざる を得ないのではないか。(伴)


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