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【2022年1月号】北京オリンピックと南進拡大するアジアの国際関係

1月北京オリンピックを前にしてトラブルが起こっている。といってもこの頃のことで事件というほどのことではないかもしれないが、中国の内モンゴル地域とモンゴル周辺にかかわる地域的事情やトラブルが浮上してきている。

これは一面では中国の国内問題として民族問題でのトラブルに対する国家的強行処理が発生し、これがオリンピック開催の引っ掛かりになるという可能性である。事件としては国内問題でもあり他国に波及するものでもないかもしれないが、オリンピック開催国という事情からすれば、やはり事件性のあるものとして対処せざるを得ないものといえるので国際関係における事件として対応すべきものになる可能性はあるだろう。

また、中国は従来から「台湾開放」を公然たる国家戦略としてかかげており、しかもそれは5~6年目標で当然武力行使を含む可能性を意味するのですこぶる穏やかではない。 周辺各国はもとより世界の平穏を脅かすことになるのは当然なのでただごとではすまない。もとより中国も当然そのことは配慮の中にあろうが、国家としての権利行使であるので容易なことではすまないと思われる。近い将来におけるアジアばかりでなく、世界政治にかかわる問題であることは否定できないであろう。

いうまでもなく、台湾は明治以来長い日本統治下にあり戦後は日本統治から脱したが、その後も中国式と日本式の混合型ともいうべき「台湾独特のライフスタイル」を維持してきたし、台湾行政そのものもそれを反映して独自性を維持してきた。また、それを含めて、台湾の地球的位置そのものが亜熱帯であり、ライフスタイルも当然その傾向を持っているので、 香港・マカオと共通する独自傾向もある。その意味で今後もこういった独自性は維持発展されるものとみてよいであろう。 しかも、台湾は沿岸の中国都市と共通する傾向も持っているので、この地域はますます独自のスタイルを発展させる要因もある。

このようにみていくと、台湾から南西にむかってタイ・マレー半島・ベトナムに至る大陸沿岸と島嶼群を覆う一体化した地域経済文化圏の緊密化と発展がますます進んでいく可能性が強まる。これを媒介としてさらに南を東西に展開する圏域がアジアの発展を支えることとなる。(会長・板東 慧)  
 
 

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