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【2018年1月号】紛争の種を抱えながらの「新年」

昨年末以来、世界は北朝鮮問題、パレスチナ問題等、大荒れに荒れて、同時戦争が勃発しても不思議ではない状況である。

この大きな要因の一つは、北朝鮮のミサイル実験と称する冒険的挑発だが、他方では中東周辺における戦闘状況の頻発もある。それぞれ理由も異なれば、要因も異なるが、小国家間の利害衝突と国境問題が絡まっている。ただ、北朝鮮問題だけは、堂々たる武力挑発を基本とした国際平和に対する侵害である。

各国がこの挑発に対抗して武力でかかわれば、第3次世界大戦の可能性も含む大騒動であるが、これは各国の抑止力が衰えてはいないし、北朝鮮もまたそれを承知で挑発している要因もあるので、安心はできないが、国連加盟国一斉の北朝鮮強圧抑制によって一定の平和が維持されている。

これには中国の対米協調という大きな保障の意味が大き い。北朝鮮もこの条件を計算に入れている。しかし、問題はロシアが中国と異なり、面従腹背で、世界の動向に竿さしていることが気になる。それなりの計算がある北朝鮮の活用や中国との対抗を含めて、アンチ国連や世界の足並乱れの挑発など、ロシアとしての世界紛争の活用など、国際利得を目指す背景があるとみられる。

2018年はこのような要因をはらみながら大局的には「世 界は平穏」の体裁を保つだろう。ただその背後には、アメリカ のエルサレム首都宣言など、如何様にも「世界紛争の火種はある」ということだろう。この意味で静観はしておれない。
(会長・板東 慧)


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