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【2016年8月号】参議院選挙の結果が示すもの/南シナ海問題 中国は大国らしく国際仲裁裁判判決を受け入れるべき

参議院選挙結果が示すもの

参議院選挙の結果は、自民・公明を中心とする与党系が議 席の3分の2を占める大勝であり、憲法改定可能な状況を確保 し、最も重大な状況を作り出したことになり、従来から悲願の野 党による3分の1以上議席確保が維持できなかったことは問題 である。今回の参議院選挙では、もとよりその他の注目すべき 結果がある。いくつかの例を挙げると、まず、18歳以上選挙権が 制定された初めての選挙で、18歳層の投票率が従来に比べ て大幅に伸びたことが挙げられる。しかし、これと対照的に19 歳層 の投票率は従来と変わらず、選挙権引き下げの効果は必ずしも 上がらなかったことが挙げられる。努力にもかかわらずこの結果は 注目される。次に、民主党が維新の党と合併して挑んだ初めての 国政選挙であったにもかかわらず、その成果はほとんど上がらず、 改選前の45を割り込み32議席にとどまった。ただ、第3としては、 民進党が音頭をとって一人区で共産・社民・生活との野党共闘 を成立させて確かに前回2013年の32区で2勝29敗と比べて今 回は11勝21敗と挽回した。しかし、共産党と国政選挙で共闘した ことをめぐって民進党内部で今後の不安と混迷が議論となって いる。もともと共産党は共産主義革命が目的で、現社会の改良に とどまらず、政権奪取後は一党独裁を基本とする綱領の下で行 動しているのであって、個別の闘争での共闘はあり得ても国権を めぐる共闘が可能なのかどうかという問題が内在する。これを 巡って民進党のみならず各党にとって信頼感を共有できないは ずだからである。これは今後も引きずる課題である。

また、民進党が共闘を重視するのはよいが、もともと民主党 時代から戦略綱領を欠いており、政策確立において劣勢で、 共闘よりも政策力を高めることが求められてきたのである。まさし く党としての実力を高めて共闘に備えることこそ喫緊の課題で はないか。そこに不安感が漂うのが現状と言える。野党再生こそ 重要である。

南シナ海問題 中国は大国らしく国際仲裁裁判 判決を受け入れるべき

南シナ海での中国の領土侵犯と施設建設による既得権化 が目に余るものであるのはすでに知られているが、これに対して フィリピン政府が国際仲裁裁判に付した事案について、中国完 敗の仲裁判決が7月12日に下った。中国政府はこれを紙切れ 同然として「無視する」態度に出た。

来年の党大会を控えて、国際的に中国共産党の面子丸潰 れで、これが国内に入れば、政権危機に至る可能性があるの で、非常識で強硬な態度に出ているが、その実際はびくついて いるのは明らかである。それは、中国が犯している行為では、歴 史的にも根拠のないの暴言で、冷静に考えればこのような論理 が国際的に通用しないことは誰の目にも明らかで、中国の建国 以来の歴史にも反することといえる。それでなければ中国は帝 国主義的な領土侵犯の暴挙に出たことになり、中国建国以来 の言動にも違反することとなろう。(会長・板東 慧)


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