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組合活動事例紹介:豊田自動織機労働組合(2011)

「組合関与・組合評価BEST10」の組合関与においてベスト10にランクインされている組織のユニオン・リーダーに、現状における組合活動の事例を直接お伺いすることができました。ここでは、ご許可いただきました内容を広く公開させていただき、個々の組合員がメンバーとして関与できる組合活動の展開の参考にしていただきたいと考えています。

吉川浩二書記長にお話を伺いました。

Q:組合員の、労組や活動への関与について、どのような実感を持っていますか。

リーマンショック後の3年前、創業以来初の赤字となり、緊急的な収益対応として仕事を切りつめるなど、組合員の労働条件(収入面)や働き方にも大きな影響が出ました。ある意味、初めて“雇用の重み”を意識したと思います。不満の声を含めて、以前より組合員が組合の方を向いているのではと感じています。実際に、全員参加のレク活動を展開したり、職場会の強化を図ったりしたことで、組合員が活動に参加する機会は非常に増えているのですが、一方で、この2年間に選挙活動が続いたことへのアレルギーによって、関与意識という面では相殺されてしまった可能性はあります。

Q:ベスト10にランクインされていることに対して、一言お願いします。

今回調査(2010年)では、前回調査(2008年)より関与が上がっているだろうと予想していましたが、残念ながら逆にやや低下傾向にありました。組合員にまだまだお客さん的なところがあったり、組合に対しては不安や不満の矛先が向けられやすかったりするためではないかと思います。今後も労働組合としては、組合員に健全な危機感を持ってもらい、一人ひとりに「職場で何をやらないといけないのか」を考えてもらうような取り組みをしていきたいと考えています。

Q:組合員の関与アップに向けた現在の取り組みでは、どのようなものがありますか。

1万人(全員)参加レクの例を紹介します。
3年前、会社が運動会や夏祭りなどを一気に中止(休止)してしまいました。職場もぎすぎすした雰囲気になっていたので、職場のコミュニケーションを活性化するために、あえて組合で取り組むこととしました。具体的には、工場単位でチームを集い予選会を行う大なわとび大会を実施しました。昼休みに食堂の前で連日、予選を繰り広げ、組合のユニオンフェスタで決勝戦を行いました。

Q:この取り組みの対象や規模などについてお聞かせ下さい。

実際に大なわとびに参加したのは6000人、応援や観戦した人を含めると、組合員のほとんどに当たる10000人が参加したことになります。

Q:この取り組みへの反響はいかがですか。

終了後に実施したアンケートで、「ふだん話をしない人とも知り合えた」「職場にまとまりができた」などの声が聞かれ、狙いだった職場の一体感を醸成することができたと思っています。定時以降にグラウンドで練習する様子もみられるなど、そういったプロセスがよかったと感じています。

Q:この取り組みは、今後も続けられるのですか。

種目を変えて継続していきたいと考えています。並行して、毎月の職場会にも力を入れており、以前は8、9割だった開催率がほぼ100%に近づいています。今後は、マンネリ化して実施すること自体が目的にならないよう、参加率を上げ、吸い上げた疑問や意見に対し、翌月か翌々月にきちんと回答するというサイクルをしっかり回していきたいです。

 


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