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組合活動事例紹介:日本郵政グループ労働組合(2010)

組合関与でベスト10にランクインされている組織のユニオン・リーダーに、現状における組合活動の事例を直接お伺いすることができました。ここでは、ご許可いただきました内容を広く公開させていただき、個々の組合員がメンバーとして関与できる組合活動の展開の参考にしていただきたいと考えています。

JP総研 桐谷光男所長にお話を伺いました。

Q:組合員の、労組や活動への関与について、どのような実感を持っていますか。

意識調査では共同調査を上回る関与となっている事にうれしく思っています。民営化以前の国家公務員時代の労使関係から、郵便局の職場では管理者である局長などからの業務上方よりも組合上方の方が遙かに早く、かつ情報内容に組合員を満足させるものでした。そうした歴史から会社関与よりも組合関与に大きく触れている結果を生んでいると考えられます。オープンショップ制ですが9割の正社員の加入を見ている事にもあらわれています。今後もこの組合関与が希薄にならないよう活動の充実が今後も求められます。

Q:ベスト10にランクインされていることに対して、一言お願いします。

過去の運動の蓄積の評価であると思っています。現在の組合役員として、組合関与の数値が低下することのないように努めなければなりません。

Q:組合員の関与アップに向けた現在の取り組みでは、どのようなものがありますか。

福祉型労働運動です。労働組合も社会の一員として位置づけ、組合員の相互扶助および地域社会への貢献によって組合員の真の幸せを実現します。新たな運動領域を開拓して、日常的に存在意義を感じられる労働組合を作り上げる運動です。運動の到達点としては、全国ネットワークのNPO組織を立ち上げ、福祉サービスやさまざまな社会貢献活動を行います。運動の名称は「JP愛ネット運動(仮称)」と考えています。

Q:この取り組みの対象や規模などについてお聞かせ下さい。

今年度は各地方本部からモデル支部を選定、代表者会議を実施しました。取り組み報告会も開催予定です。今後、さらに対象支部を拡大していく予定です。

Q:この取り組みへの反響はいかがですか。

組合員をきちんと巻き込んだ社会貢献の展開について、その必要性を理解いただきました。今後は、各支部・職場で地域から求められる社会貢献は何なのか改めて考えるきっかけとなっています。今後は各支部・職場で展開された取り組みを大きく公表し、全体に拡げていきたい。

Q:この取り組みは、今後も続けられるのですか。

現在は助走期間であり、2012年度からの本格展開を目指します。

Q:最後に、組合員意識調査実施の背景、調査結果を実際のアクションに結び付けていく上で有効な点についてお聞かせ下さい。

前回(2008年)の調査は郵政民営化・分社化後、そして組合の統合後初めての調査でした。民営化・分社化後の職場の実態や組織統合に対する意識についての独自設問も用意し、組合関与、会社関与や働きがいへの影響を検討しました。
分社化された中での人的ネットワークの確立という点においては、人と人とをつなぐという、組合の基本的な役割の重要性がさらに増していることが意識データからも確認されました。民営化・分社化が組合員の意識にどのように影響しているかも把握できました。
今年は組織内候補として参議院議員を誕生させる取り組みを通じて、組織統合後の組織力量アップを図る大きな取り組みが展開できましたが、満足できる結果だったかは疑問が残ります。5つの会社に分散されているグループ各社の社員の連帯感づくりなど今後の取り組みを模索しなければならない厳しさがあります。

 

 

 


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