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組合活動事例紹介:中央発条労働組合(2010)

組合関与でベスト10にランクインされている組織のユニオン・リーダーに、現状における組合活動の事例を直接お伺いすることができました。ここでは、ご許可いただきました内容を広く公開させていただき、個々の組合員がメンバーとして関与できる組合活動の展開の参考にしていただきたいと考えています。

牧原靖範執行委員長にお話を伺いました。

Q:組合員の、労組や活動への関与について、どのような実感を持っていますか。

「関与」してきた感じはします。今期から職場委員中心による職場懇談会を年2回実施、更に毎月の職場会についても職場委員長から職場委員主催に変更しつつあり、一般組合員の意見を十分に吸い上げられるようにしました。これにより、執行委員、職場委員長と一般組合員に挟まれて、やや委員としての認識が十分でなかった職場委員の意識も変わってきたように思います。

Q:ベスト10にランクインされていることに対して、一言お願いします。

「意外」の一言に尽きます。報告会議などではけちょんけちょんに言われていたので。

Q:組合員の関与アップに向けた現在の取り組みでは、どのようなものがありますか。

2009年から毎月の職場会に加えて、2回の職場懇談会を実施するようになりました。それまで、本部で決まったことを一方的におろす部分があったのですが、一般組合員の生の声をとにかく聴くということを行っています。
そして、あがってきた生の声に関しても、そのまま本部に持ってくるのではなく、職場委員、職場委員長、執行委員でそれらを見て、①答えられるもの、②行動を起こせるもの、③支部で扱うレベルを超えているため、本部にあげるもの、の3つに分け、支部でのアクションにつなげられるようにしました。
また、本部が答えられるものに関して、これまでは「労使協議会で検討します」だけで終わっていたものを、紙面で回答するようになりました。
こうしたフィードバックをすることで、ONION2調査時に感じていた、組合のトップダウンコミュニケーションの強化につながっていると考えられます。
また、中央発条労組では、ONION2の実施時に、執行委員や職場役員自身の関与自体から、問い直していきたいという問題意識があり、ONION2研修なども行ったのですが、その後の活動として、職場委員長については、各支部の方針を踏まえ「自分たちは1年間何をするのか?」を考えていただき、チェック・フォローを実施しております。
また、組合員から、最近職場がぎすぎすしているため、小さいことでも感謝の気持ちを表すようにしたい、という発言があり、それを元に「ありがとう運動」を展開しています。名刺サイズの「ありがとう」カードを相手に渡すのですが、この「ありがとう運動」に関した川柳コンテストなども開く予定で、組合に関わるきっかけとなっていると思いますし、職場委員長・職場委員も組合と組合員をつなぐことで、組合により深く関わるきっかけになっていると考えています。

Q:最後に、組合員意識調査実施の背景、調査結果を実際のアクションに結び付けていく上で有効な点についてお聞かせ下さい。

調査実施の背景としては、外部の目で我々の組合を見てほしかったことがあります。これまでは書記長が調査を作り、書記長が分析をしてきました。しかしやはり自分の組織に対してのイメージがあり、それに従った質問を作ってしまうし、結果に対しても「やっぱりな」という目で見てしまう。冷静な目で見ることができないと考えたからです。
また調査が有効な点は、やはり「関与」でしょうか。ぶら下がりの人間が多いといわれたことが、その後の取り組みのきっかけとなっていると思います。ただかなりの分析結果が出てくるので、それをアクションにつなげるには、マンパワーが必要だと感じました。
また、より具体的なところまで、もっと、嫌われるほどつついてもいいのではないかと思います。

 


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