ON・I・ON3の基本的構想
(1)目的
ON・I・ON3の目的は、組合員の「生活の質の向上」を支援することです。
ここで生活の質とは、単に経済的な側面だけでなく、余暇の充実や生きがい、働きがいある暮らしといった総合的な概念であり、しかもそれらを外から見た時 の評価ではなく、組合員自身による自己評価が高くなることが重要であると考えられます。そういった意味で、組合員自身の生活に対する満足の度合い「生活満 足度」を高めるための支援活動が、ON・I・ON3の目的とも言い換えることができます。
ところで、近年、多くの労働組合では、その活動方針として、あるいは中長期ビジョンの柱として、組合員の「生きがい」にまつわる「豊かさ」や「ゆとり」 といったテーマが取り上げられているようです。しかしながら、「豊かさ」といえば賃金・一時金の増大やレジャー施設の紹介、「ゆとり」といえば労働時間短 縮や余暇時間の拡大というように、経済的側面や時間的側面、物質的側面に偏りがちで、総合的あるいは根本的に「生きがい」とは何か、「生きがい」を高める ためにはどうすればいいか、という問題が置き去りにされている観があります。豊かな生活、ゆとりある生活というのは、本当に金銭や物質だけに依存するので しょうか。そうした問題を解決するために、まずは「生きがい」の定義を明らかにする必要があるのではないでしょうか。それを労働組合の立場から行うこと で、今度の組合活動の方針も明確になると考えられます。
(2)基本コンセプト
生活満足は様々な要素から構成されており、何を重視するか、何を必要とするかは人それぞれだと考えられます。それを把握するためには、まずは生活満足の枠組みや構造を明らかにしなければなりません。そこで、仮説構造モデルを以下に示します。
暮らしの実態
| 生活領域
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個人的特性
| ソーシャルネットワーク
| 世代的特徴
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