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【2007年5/6月号】情報社会特有の情報公害に注意喚起を―特に生活情報を重視―

男でウエスト85センチ以上の人は要注意――メタボリック症候群という言葉が毎日のように新聞・雑誌・テレビを賑わせ、薬や運動具の宣伝が踊っている。結 構な社会で、政府のこのご託宣で、医者もマスコミもそれに乗り、真面目に買って利用すればよいというような宣伝があふれる。「もし、説明通り使って効かな ければ代金を返します」などと派手に広告する。効果がよくダイエットに成功した人の使用前・使用後ビデオが繰り返し流される。恐らく多くの人が、こんな宣 伝に乗せられて腹が立った経験を、少なからずお持ちだろう。省みてわが身を見れば、指示通りにはやれず、手抜きもあればサボりもして、結果は成功しなかっ た。が、また、同様のものがあると乗せられることがある。生活習慣病や病気とまでは言えないさまざまな痛みや症状などである。最近は結構なことで、情報社 会のおかげですベて誘導してくれる。自分で考える必要がないほどである。筆者も元気で病人ではないが、一病息災どころでなく、三病息災で定期検査を受けて いる。だから何かと民間薬品や機器を買ってみては好悪半ばを体験している。情報社会にはそれなりの情報効果があるが、情報公害も多いことを痛感する。

メタボリック症候群も、少し画一的に規定し過ぎで、病人の作り過ぎである。既に懸命な医者や医事評論家から戒めの発言もちらほらある。

例えば、肺癌の有力な原因に喫煙が挙げられ、文明人の間でも600年余続いたコミュニケーションの手段や嗜好品を止められ、乗物や公共施設の至るところ で排除された。巨大産業の売上が消失した。アメリカでは、自分の意志で買っても弊害が出れば、タバコ会社は巨額の損害賠償を払わされる。しかし、タバコと 肺癌の因果関係を証明する人体実験症例はごく少ないようである。何しろ人の一生の人体実験が必要だから簡単にできないのだろう。アメリカという国は、プロ テスタントなどがラディカルな国で、戦前にマフィアなどとの関係で、禁酒法が猛威を振るったことはよく知られている。しかし、その後、禁酒などはピタリと 止まり、あれはいったい何だったのかと思わせる。

タバコは「害あって益なし」とされるので止めるのはよいことだが、そのうちにタバコが肺癌の主原因でないという有力な医療情報が出そうに思えてならな い。そんなことを考えていると、中国製風邪シロップを飲んだパナマ人が300人も死に、北米に輸出されたやはり中国製のペットフードでペットの大量死が出 たと報じられた。これはもっと悪質で、世界で問題になっている中国の贋物商品の話題だが、これにメタボリック症候群を気にする人たちが引っかからないこと を願う。何事につけ、注意喚起は必要だが、情報公害のことも考えて、特に行政担当者の自重を望む所である。(伴)


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