本サイトへ戻る
カテゴリー一覧

【2007年2月号】最近のおかしなこと

最近、世の中の出来事やマスコミで、おかしなことが多い。列挙して問題提起したい。

1:ホワイトカラー・エグゼンプション。現在でも管理職は一般に超過勤務手当てはない。かりに、新たにそれ以外のハイ・キャリアー、ハイ・サラリーを対 象に、成果給で超過勤務手当を廃止するとしても、実施のためには条件がある。わが国は世界に冠たる「過労死」国家であり、その理由に労働時間規制の低さと それを助長したり拒否し難い風土がある。これを取り除く保証無しの導入には問題あり。「過労死」の大半は、管理職やそれに近く、労組と無縁の層。契約自由 の原則が貫けない同調過剰社会への反省が重要。

2:ようやくデフレ脱出で、高収益企業が続々出ている。特にあれだけバブル中の不正経理で国税のお世話になった銀行が高収益である。まず大衆の預金利子をゼロにして得た収益を大衆に還元する方策に誠意を示せ。政治資金の復活先行とは何事か。

3:日本経団連の07年賃金対策方針を見ると、1960年代後半の日経連のそれとの酷似――「国際競争激化・生産性向上のために賃上げの余力なし」な ど、高収益・高蓄積・高配当への自覚がなく、只管賃金抑制の呼号である。週5日制でも賃金国際化でも時代を先取りしてきたキヤノンの御手洗さん、日本経団 連会長になった途端、余り芳しいとはいえない方針だが、如何。逆に、安倍首相。経営者団体への挨拶で、「高収益なので経済界は所得の分配について配慮すべ し」と、前例なき発言、大いに評価される。

4:「格差社会」という言葉が一人歩きしている。もともと資本主義には格差があるのは当然だし、大不況からの回復過程で格差拡大は当然。しかし、生活保 護よりワーキングプアや最低賃金や標準年金の水準が低いのはおかしい。その中には、労働生活の多様化や制度の硬直化など構造問題があるので、本質を明確に し、その構造克服を明示しなければダメ。それを明示しない政治家や学者のおしゃべりではしょうがない。

5:検察の横暴と不公正が目立つ。大阪高検の元公安部長三井の控訴審は、1審と同じ実刑判決だったが、裁判官は検察の裏ガネに警告を付け加えた。三井の 逮捕は、この裏ガネの内部告発のためにTV出演する前日のことで、検察官が皆おなじことをやっているかと思わせるようなやくざとの付合いや小型詐欺を理由 にしたもので、長期拘留だった。検察は裏ガネについて明確に釈明も謝罪もしていない。

ホリエモン問題も冤罪の可能性あり。かりに告訴が正当としても、生命保険の不払いや証券会社の不当経理・大監査会社の不正等と比べて、あの長期拘留は不 当。しかもヴェンチャーとしての新しい生き方に世間の共感もあったので、ヴェンチャー潰しの意味もあったかも。マイナス隠す検察のゼスチャーも・・・? (伴)


地球儀 の他の最新記事