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【2005年4月号】朝日vs.NHK戦争、早期決着の責任を果たせ

NHKと 朝日新聞の対立が世間を騒がせたが、いつのまにか静かになっている。両者とも法廷での対決も辞さずとしながらどうしたことか。この問題は、政治家の政治生 命にもかかわる問題なので、いいかげんにしておいてよいとは思わない。自民党は重大問題として党として取り上げようとしたが、その後どうなっているのか。 もとより、この種の問題は攻撃されている場合は強気に出るのはよいが、相手がおとなしくなると深追いするのは言論弾圧などといたくもない腹を探られるのも よいものでもないので、情勢待ちかもしれない。しかし、この種の問題は、マスコミの横暴の可能性もあり、マスコミ界自身として積極的に事実究明をすべきで ある。往々にして、メジャーマスコミのこの種の不当報道はお互いにうやむやにしたがる傾向がある。きっちりと取り上げたのは、文春と新潮などの雑誌のみで ある。

筆者の観測によれば、朝日の本田雅和記者が、「NHK幹部の証言による」というのに対して、松尾武・元NHK放送局長は「取材に対してそのような証言はしていない」と公式に明言しているので、どちらかがウソをついていることは明らかと見られる。

一般に、記者が取材する場合、正確性を保持する立場から、少なくとも録音をとるのが当然だが、この場合相手から録音許可を取っていないらしく、それを公 然とできないというだけでなく、取材源の非公開を理由にして事情を明らかにしていない。これもマスコミのいつもの手でもある。雑誌社などが伝えた事実から 見れば朝日の記者はもともと事の起こりとなったNHKの人民裁判もどきの内容に大いにシンパシイを持っていたようで、事あらばそれへの介入についての批判 的記事を書こうと策していたようである。ここまでくれば、取材源非公開などよりも事実を明らかにすることの方が公正と見られるので、録音を公開してはどう か。

朝日は、戦後重大でっちあげ誤報の前科がある。いずれも記者のスクープ競争から出ている。一つは、1950年代初頭の「共産党潜行幹部・伊藤律単独会 見」、ついでは1989年の「沖縄の珊瑚へのいたずら落書きのやらせ事件」である。今回の経路を見ると、どうも朝日記者の勇み足で、会社の面子から突っ 張っているうちに世間が忘れてくれるのを狙っているように思える。朝日側が裁判にしてでも、といった割には、裁判にも踏み切れないし、煮え切らない。さっ さと白黒つけるべきであろう。(伴)


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