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【2013年8月号】参議院選挙結果をどう見るか、そしてその次に来るもの

7月21日、内外から注目されてきた第23回参議院選挙が行われ、その結果は、事前の世論調査や各種マスコミで予想された通り、自民党の圧勝・与党の安定多数による捻れ現象克復に終わった。野党はみんな・維新・共産がそれぞれ伸びたが、民主党は衆議院選に続いて惨憺たる結果となり、また生活・みどり両党はゼロ敗に終わった。

この結果この半年、アベノミクスなど、在野中に研さんを重ねてきた安倍自民党の全面勝利で、しかもその復調を成し遂げ、21世紀の新たな地平を切り拓く一歩を確保したことになる。小泉政権の後、短期で首相が交代する不安定な政権が続き、自民党が政権から滑り落ちて在野の3年間、反省を込めた復活への努力が成果を見せたといえるが、復活に伴い旧型の派閥のうごめきや政争への動きを見せており、これから安倍政権をめぐる揺り戻しも含む波乱要因はある。 TPPをめぐっても憲法改正をめぐっても不協和音があり、必ずしも整合的な動きにまとまっているとはいえない。ただ、安倍首相のリーダシップは国際的にも実証され、2度と短期政権の繰り返しに陥るような誤りのないような世論圧力もあり、先ずは前途はアベノミクスの具体的な所得への反映と消費税問題の処理を含む財政再建への道筋とTPPの成果など具体的な政策の行方にかかっている。

これに対して野党は、民主党の混迷の継続と野党の確執の中で、共闘の行方が全く視野に入らない状況であり、これは短期で結論が出るものではないことも明らかである。参院選ショックがバネになるかと思えばそうはいかないだろう。何といっても野党第1党のトップが頼りない、なり手がいない中で、続投するという海江田の安定性が如何なものか、である。海江田は本来得手であるべき経済政策能力が発揮されず、アベノミクスにケチをつけるだけではどうしようもない。「アベノミクスが半年で賃上げの成果が出ない」等というケチのつけ方はおよそ経済政策のイロハがわかっていないといわれても仕方がない状況である。その結果、野党共闘でのリーダシップが発揮できていない。さらに他の野党も共闘する意欲があるのかどうか。野党再編もしばらくは無理だろう。ここは各野党が本気で、「政党とは何か」から静かに吟味する甲斐性とゆとりが必要だろう。アジアも世界も大きく転換する中で、わが国のイニシアティヴが望まれている。長期安定政権を構築するわが国の政治関係力学が求められている。(伴)


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