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【2013年7月号】参議院選挙を控えた政治動向と意気込みが示すもの

安倍内閣成立以来6カ月、さすが3年間の野党を強いら れた自民党は再生安倍内閣の下で、従来の自民党政権の 問題点を克服しようと万全の体制で、日銀に黒田総裁を据 え、大胆なデフレ克服政策を展開しアベノミクスによって初期 の成果を上げ、今後の発展が期待される。

18日に閉幕した 英国・北アイルランドにおけるG8でも、安倍首相によるこの 政策にかかわる報告提言は参加各国から高く評価され、か つてなくわが国の政策とそのパフォーマンスが称賛され、期 待され脚光を浴びた。ただ、ドイツのメルケル首相はこれを支 持しながらも、現在直面する危機からにじみ出るような財政 規律の厳格化については、わが国の努力を求めた。安倍内 閣は当然これを強く認識しているが、経済の運営について 世界の指導的地位に立ったわが国に積極的な努力が求め られるとともに、現在の政策路線の慎重かつ大胆な展開が 強く要請されている。  

わが国内ではマスコミも一般市民も含めて株価の上下転 変に一喜一憂する議論が多く、また、景気回復が現実化し ていないという不満も聞かれる。しかし、20年にわたるデフレ の下で無策に近い政府が続いてようやくその脱却の芽をつ かんで半年、功を焦るのは考えものである。内部留保で守り の姿勢に入ってきた企業が積極的に投資に向かいその成 果が見え始めることと、積極的な消費が出始めそれをバック アップする賃上げや所得アップに政策を進め始めて1年はかかるのが当然である。

しかも今日の経済はマインドが大きく左右 する。労働組合もやや委縮傾向から未だ脱出できていない。  それだけではない。選挙で善戦し、次期参院選で相当な 前進を見せそうな様子を見て、またぞろ自民党の古い派閥 のボスが人気が出過ぎたとばかり安倍首相やその周辺の足 を引っ張る動きが出ている。「貧すりゃ鈍する」といわれるよ うに前向きよりも後向きを好んでするという諺の類を見るよう である。  

他方、野党でいえば第1党の民主党は自らの主体がもとも とバラバラで、党綱領もなしに政権ほしさに集まって、何事もな さずして惨憺たる3年で政権を投げ出さざるを得なかった。そ のことの総括が未だに出来ず、まともな政策で攻勢に転じる ことが出来ず、海江田も細野も与党の上げ足取りの中途半 端な政治姿勢でますますじり貧となり、日本維新の会やみん なの党のミステイクをよしとしている。その結果野党の結束も ないし、まともな野党共闘が立ちあげられないでいる。

わが国 は永年の後ろ向きの暗さからようやくみんながデフレ脱却・経 済向上を現実化しようと新たな意気込みに立ちつつある。当 然回復には冷静に見て一定の時間もかかる。しかし、意欲を 持って初めて具体的な成果も得られる。そのような国民的な気 分や意気込みに不揃いはあってもそれに逆らってうそぶいたり 不貞腐れている政治家に未来がないことは明らかである(伴)。


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