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【2021年7月号】コロナ・パンデミックとその社会的影響をめぐって(2)

コロナの世界的流行が普遍化し、その社会的影響が深刻さをもってきたように思える、ということは、前号の本連載でも指摘した。一般的にみて、今日の医学的、疫学的な防護措置によってこれに対応することは、それほど困難とはいえない面があるが、コロナの流行の状況についてみると、きわめて強力な波及効果をもち、一度罹患して回復しても再び罹患するとか、あるいは重篤化して死に至るなど、一見軽いように見られて実は油断のならない一面をもっていることに注意する必要がある。

この意味で、その社会的な諸影響に関して熟慮すると、事はそれほど簡単ではないと思われるので、生活上のあらゆる面からの対応措置を心掛けなければならないように思われ る。その意味で、若年世代、特に一般的には健康な青少年・ 発育盛りの世代にとっては罹患して軽度なものと感じて日常生活を送っているうちに重篤化する可能性を持っているので、特に注意が必要といえる。

いわば、通常の風邪の症状と変わらないのだが、一転すると重篤化していくというコロナ特有の医学的な分析は未だ十分に達成できていないのであろうが、油断のならない現代病の一種といえるし、ワクチンの接種は広がりつつあるといえど も、未だ特効薬が開発されていない特殊な流行病の一種とみてよいだろう。一般にこの種のものは、高度な医療の対象とはみられていない身近な疾患とみられやすいかもしれない が、比較的やさしいようにみえて、実は最も高度な要素をもつ複雑な要因をはらんでいるとみられる。この意味からいって、 特に重視する必要があろう。

この種の事象は、時に生活の中でみられるもので、驚かされることがあり、この種のものを軽視した結果、ひどいしっぺ返しにあうこともある。このように我々の生活の過程で一見比較的軽やかに見えて、実は重厚で執拗な性格をもつ事に時に遭遇することがある。そしてそれを分析することによって極めて多面的・多角的な問題を解決したり、応用したりすることが可能となる場合がある。

この意味で、われわれはそのような「いとぐち」を大切にする必要があろう。 (会長・板東 慧)  
 
 

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