本サイトへ戻る
カテゴリー一覧

【2021年3月号】「新しい感染の様相を繰り出すコロナ対応」の重要性

新型コロナウイルスの感染は、この1月15日で第1号が確認されて以降、1年になる。昨年12月28日から1月11日にかけては、観光支援策の「Go To トラベル」を政府は全国一斉に停止することを決定した。これは、東京などの大都市中心の 感染者数が高止まりしてウイルスが広範に広がったことに対して、流行以来「初めての冬」を迎え、気温の低下とともに、 店舗や職場での換気が難しくなる時期に感染の拡大が止まらないことから、政府が総合的に判断したものといえる。政府は、年末年始の期間を活用して、「Go To トラベル」に“休止符”を打ったわけである。遅きに失したという意見も多いが、もともとはこのような感染の根強さが想定されていなかったという面もあるであろう。

政府としても、意見を具申する専門家の間にしても、予想以上に根強い感染力とその拡大経路に対する予測が困難だといえるだろう。当初から、これほど根深く、感染経路が想定しにくかった面が予測できなかったといえるが、パンデミック (世界的流行)に達したことは、歴史的に有名な14世紀に欧州から発して世界に広がった「ペスト」の流行が現実化したといってもよく、その勢いは日常の予想を超えるものであったといえる。

我が国でも感染経路もそのスピードも予期できない新しい感染の波であったわけである。またたくうちに第二波が通りすぎて、第三波に至ったのが現実で、その感染の状況もスタイルも、新しいもので、大都市 − 特に、東京や大阪で職場から家庭を巻き込んだ猛スピードの感染力である。このようなパンデミックの様相は、未だ「アレヨ」といわんばかりである。専門家や行政では、第三波の対策の失敗が話題となっている が、次々に新たに繰り出してくる感染の波と構造に危機感を隠せなくなったところであろう。これからも引き続き新たな様相を繰り出してくることに対応する必要がある。 (会長・板東 慧)  
 
 

地球儀 の他の最新記事