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【2013年1月号】まずは安定政権の確立ー総選挙は明確な回答を出した

2013年新年を迎えた。昨年は相も変わらず、わが国政治 は八方塞がりの感で「決められない政治」が続くかに見えた が、年末に至って「辰年」は大荒れに荒れた。第46回衆院 選は歴史的な大転換をもたらした。
戦後自民党長期政権に 飽き飽きした国民が民主党政権を選び、政界に大転換をも たらし、少し取り過ぎたといわれた民主党の圧勝をもたらし、 歴史的な政権交代をもたらしたが、以後3年半、衆参で多数 を握った民主党政権はその政権準備も整わず、寄り合い所 帯で、長期続いたデフレや景気後退からの脱出を図れず、 外交的にはそのガヴァナンスを疑われ、にもかかわらず党の 統一と主導力を保てず、国会では与党としての運営の品位 を保てず、国民から総すかんを食って衆議院議席は当初の 5分の1に減少した。
総選挙中にもそのことが聴衆の態度か らも感じられたと語っている民主党議員は多い。前首相菅 が小選挙区で、そして主要閣僚が8人落選したにも拘わら ず、この認識が少ない傾向がみられる。

小選挙区制はこのような政変をもたらす可能性を多分に はらんでおり、英国など過去100年余もこのようにドラスティッ クな政権交代を4年あるいは8年程度の周期で重ねて政治 が成熟してきているのであって、わが国では前回と今回がそ の壮大政治的実験となっており、それが決して美徳とはいえ ないが、民主主義のルールといえる。自民党は蘇ったが、民 主党がこの次蘇れるかどうかである。

自民党のリーダーは、今回の挽回を「自民党が強くなった というより、民主党が余りにもお粗末な政治で国民の支持を 喪失したのであり、国民は政治の安定を求めている。次の参 議院選を含めて心して着実に政権を運営しなければならな い」として背水の陣であり、「何よりもデフレ脱出、そのための 2%程度のインフレ含みの災害予防策を含む公共投資によ る景気回復」「日米同盟の修復を軸とする外交の回復」 「役職に女性の重用など、新しい政治体質の形成」等、きわ めて慎重・細心なのは結構である。

新政権は、前政権によって遅らされてきた東北災害復興 の眼に見える加速、特に生活環境の回復と電力を含むエネ ルギー問題解決を加速的に重視すること、そしてASEANを 中心にしたアジアとの積極外交のイニシァティヴをとること、 特に米国・インド・豪州等との協力の積極化を含めてTPP との接触の強化が重要であり、さらに対中・対北朝鮮外交 への新たなチャレンジが必要であろう。

第3極政治勢力の伸びは今回今一歩であったが、中央集 権・官僚支配規制による構造改革はますます重要であり、 今後伸びてくることは当然であり、自公政権は日本維新の会 やみんなの党などの勢力との関係に心配りが必要であろう。 (伴)


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