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【2012年4月号】世界4トップの行方ー世界が変わる可能性

今年は世界主要国のトップ交代の年である。これによって 世界の動向は相当変わることは間違いない。しかし、どことも 難しい問題を抱えているので、様々な曲節があるだろう。その 国は4つ、ロシア・フランス・中国・アメリカの順だが、ロシアはす でに決まり、フランスも近い。後の2つは後半に決まる。

ロシアは予想通り、プーチンが大統領再選を果たし獲得票 もまずまずだが、かなりの困難を抱える。それは首都モスクワ での反発が強そうだからだ。しかも、その理由が主にプーチン の政治手法にあるようだ。以前の大統領時代、民営のリー ダーになった石油や情報企業のトップに対して、企業の公有 化等の法改正や難くせをつけて国外に追いやったり、プーチ ンに批判的なジャーナリストが消えたりした。しかし、他方で プーチンはオイルブームを背景に、ロシア有史以来の消費 ブームをもたらして人気があった。しかし、今回は経済環境が 悪いし、また、批判者を抹殺する可能性があるというので、情 報に敏感なモスクワっ子に評判が悪い。田舎では、あまり知 らずにプーチン期待があると見られる。すぐウラジオでの ASEAN首脳会議があり、この準備もしてきたので派手にや るだろう。対アジア進出・南進は至上命題で、日本にも領土 交渉等で誘ってきている。しかし、対シリア・イラン問題では中 国と共にソ連時代の逆戻りの感があり、6年間国民の反発な しに持つかどうかも疑問である。

フランスはサルコジ再選はどう見ても怪しそうである。フランス 経済は政府丸抱えのようで、ギリシヤ問題でもドイツ・メルケル のリードで何とかいっているが、フランスはついていくのがやっ と。それに対して若者の失業問題や飛行機・オイル・自動車 など産業が大変で、対決迫る社会党が有利なようである。

中国は胡錦濤政権に対抗する江の上海派と習の太子族 連合の激烈な地下闘争が続き、毛沢東万歳を掲げる重慶の リーダーで習に最も近い薄の汚職を暴露しようとその子分の 王公安局長が米国領事官に亡命を求めたが米が断るなどし て薄は解任され、胡派の温家宝首相は「改革が足りぬ、重慶 の党は反省を示せ」と述べ、すでに地下で胡-民団派対習 ―太子族派の激闘が始まっていることを示す。習が次期首 席に予定されているが、それまでに揺れもあろうし、就任した 場合もかなりしこりが残るとみられ、問題を残すだろう。

最後になる米大統領選、かなりオバマ不利といえそうだ。 それは、医療保険問題での失敗、今のウォール街若者デモ にも見られる所得格差の増大、前回圧倒的支持だった移民 層が今度は乗ってこない、GM救済方法に異議を持つ共和 党支持者等、不協和音が多く、共和党候補ロムニーが次第 に優勢になりつつある。アフガン等もしっくり始末がつかない など、オバマの不利条件が多い。ただ、現職の強みもあるの でまだ流動的だが、オバマ有利とはいきそうにない。  (伴)


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