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【2012年1月号】辰年は荒れる。世界・国内共に波乱の年

辰年の到来である。別に縁起を担ぐわけではないが、辰年は荒れるといわれる。もとより、どう荒れるかは言い当てにくい。だが、世界の状況を見ても、EUはどう考えても、このまま安定して落ち着くとは考えにくい。もう一波乱も二波乱もあろうし、米国の選挙を見ても見通しが立たない状況で、アメリカ経済も先行き不安定で財政的にも困難である。中国もまた、バブル崩壊と物価上昇、経済の大波乱は免れず、国民の不満が吹き上げ、デモや騒乱が立ち消えまいし、その中で幹部交代での後遺症も残るだろう。ロシアはプーチン大統領が決まっても落ち着くとは思えず、国内は相当な対立や反目が続くだろう。その他シリア・イランなど国内騒然たる情況と周辺国家の波乱は絶えないし、ジャスミン革命に見舞われた各国は、エジプト・イエメンはじめ各国とも落ち着かない。と書いている最中に、北朝鮮金 正日の死が伝えられた。後継者金 正恩は若く、選出間もなく、到底後継として安定的な道を進むとは思えず、後継選出での不満や対立が噴き出す可能性がある。それでなくとも昨年は金 正日が3度も中ロを訪れたほど食料危機・経済危機である。確実にこの後遺症が出て、北朝鮮崩壊が現実化する可能性があるし、その行方はアジア全体を左右するだろう。世界騒乱の中に向かって今年は船出するが、問題は、この荒波にわが国がどう対応するか、である。

野田内閣は滑り出しは、一応全党参加の音なしで出発したが、一川防衛相、山岡公安・消費者相のお粗末な行動から非適材として参院問責決議を受けながら野田首相はこれを無視して国会を閉じた。結果として次の通常国会は荒れるので小幅内閣改造を試みようとしている。しかし、野田内閣は、マニフェストの修正を迫られ、しかもマニフェスト違反の消費税の直行によって小沢など党内批判が高まり、さらに TPP参加では党内から大反対が高まった。いずれも小沢派が中心だが、小沢は裁判中で結果はクロの可能性が高く、例えシロでも上告は避けられず、長期戦になる。他方、小沢チルドレンの多くは次の選挙で危ないので新党志向であるが、小沢は新党に行けないものの、野党と連携して揺さぶりをかけるだろうし、民主党内には不協和音だらけである。残念ながら、民主党は政権交代の実なく、終えそうである。ところが、これに代わるべき自民党は、谷垣ではだめなので、当然改選の声が高いが、派閥の領袖の視野は狭く、若者中堅中心に戦力になるリーダーが選出出来るかどうか。そこで自民党分裂で民主党の改革派を巻き込んだ政党再編が始まる可能性がある。弱小新党もこれに加わるだろう。そこで、この組み合わせは多様になる可能性があるし、さらに多党化が進むかもしれない。まさしく辰年は荒れよう。いずれにしても野田安定内閣は風前の灯となり、政局は新たに胎動して波乱となる。慾目と自己保存優先の政党を排除して、まともな清新な新勢力の形成を願う。(伴)


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