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【2003年3月号】何とかならないか、この野党のだらしなさ

小泉内閣も成立後2年、発足時の87%ほどの支持率は一旦衰えたものの、昨年秋には再び65%以上に回復し,最近は50%を割っている。内閣に努力はある ものの、景気はよくならず失業率も高まり、国民の間にもやや諦めや不信があるのは否定できないが、従来の内閣支持率と比べるとまだ高い。96年橋本内閣は 成立時57%(1次・2次とも)で以後は低下の一方だった。それは何故か。「構造改革なくして景気回復なし」として、自民の抵抗勢力や官僚の抵抗による部 分的な修正や引き延ばしはあるが、改革関連の大臣に新鋭気鋭の閣僚と比較多数の女性を加え、絶え間なく改革の手続きを重ねてきたことは間違いない。小泉内 閣の成功度は5割を超えるまでには至っていないだろう。だが、今後実行に移されれば、成果に至る「種をまかれた」ことは間違いない。金融機関査定の厳しさ や中小企業金融の打開もすすみ、自動車・電機・化学などの立直りや新しいベンチャーへの支援、特区・技術開発・教育改革などさまざまな面で、従来手つかず の分野ですすんでいる。だから、小泉内閣に批判すべき点は大いにあっても、必要なことをやっていないという批判は当たらない。

ところが、問題なのは、野党の動きである。野党共闘は全くすすんでいない。トップ同士が囲碁や料亭やカラオケで水面下の動きをしたという話題が流れてい るだけである。それは当然で、「政党は政策だ」といいつつ、民・由・社の3党の政策協定は全くすすまず、かりに1つのテーマでも今国会で共同提案で、内閣 を立ち往生させる行動もない。これは怠慢という他ない。民・由は共同したがっているが、社は全く応じないし、その民内部も由に対して不信がある。最も問題 は民主である。昨年の代表選挙で手続きとして問題なく鳩山を選んだのに、若者が「選挙の顔としてまずい」と反乱してこれをつぶし、落選候補の管代表を選 び、幹事長に鳩山支持で動いた岡田を据えた。全くケジメのない事態で、欧米ならこれだけでも解党に至るはずだ。

この岡田は、1月19日のNHK日曜討論で「政府が帰国した拉致5人を帰さない事は誤り」と発言した。これが民主の方針なら天下に明確にすべきだ。この 発言は由々しき問題だが、その後これはフォローされていない。民主の諸君はこれを認めたのか。管が国会答弁で小泉の「公約無視」のフライングで1本とった とマスコミが評価したが、初陣の新議員の殊勲でもあるまいし、やたら口先の対決ではなく、周到に準備した政策で首相を追込み、政策や行動の修正を勝取るよ うでないと野党第1党の党首の勝ち点といえない。また、社民・土井は北朝鮮労働党が友党だというのなら、自ら乗込んで、拉致問題解決と核廃棄で論争しかけ てはどうか。それまでの発言とは比較にならないコソコソと「拉致問題陳謝」をしたが、不思議に「自己の党体質」の分析を含む価値ある自己批判になっていな い。ここに至る永年の歴史を自己批判しなくてはならない。さらに、秘書給与ピンハネの辻本が次期選挙の準備をしているようだが、それをそそのかした大物秘 書は永田町からも姿を消したのに、未だに土井の公設秘書を辞めた形跡がないとマスコミが伝えている。この程度さえ身綺麗にできないのはどうしてか。

ところで、自由・小沢は改革提言に大いに賛成だが、共闘に実現性が明確でなく、成果もあがっていない。対決がましく大声を出すより、解決すべきことを積 極的にサポートするなり、際立った対案を明示して追い込むなり、政治らしく動いてもらわないととても国民は野党を信頼できない。野党の動きの方が、「解 散・選挙」のみを意識した相互不信が多すぎる。とても、政権交代などという信頼に至らないのではないか。(伴)


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