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活動レポート

オルグ日記 2026年7月 |調査運動をひろげる

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調査運動のオルグ――共同調査に参画する仲間集め――にたずさわる吉浜と宮田が、日々の仕事のなかで思うことを発信します。社会のこと、労働組合のこと、様々な"運動"のこと。日々感じることを軽やかに楽しく伝えられたら、という試みにご期待ください。

"調査運動"をひろげる

 労働組合に電話でアポイントを取って訪問する。外回りの新規営業と勘違いされるが、これが残念ながら多くの場合の経労研のオルグスタイル。

 本当は市役所のように、用事のある組合が、対応しかねるほどじゃんじゃん訪ねて来てくれたら良いのだが、「調査は経労研でやるもの」という文化が、今はまだない。

 これは良いことでも悪いことでもある。そんなことになったら私たちにとっては楽でも、きっと経労研のオルグは弱体化する。足を運ぶから聞こえる声もある。

 そんな営業さんみたいな人が急に抽象度の高い労働調査運動の説明をして、特に何も売らずに帰ろうとするものだから、「この人は何しに来たんだろう?」と不思議がられ、帰りには合点がいったということで温かく見送ってくださる。「先生」なんて言われることもある。前回のコラムでTCクラクションに教えてもらったように、ソーシャル・リアリティの転換をはかる、その腕が試されているのが我々オルグ部隊だ。

 個人的には、初回訪問が一番好きだ。最も自分が試される。行く道すがら、どんな人なんだろう、ものすごく怖い人だったらどうしよう、まったく共感されなかったら……なんて思いを巡らせながら歩く。反対に「玄関先で追い返されたらめっちゃ面白いな」なんて考えているのだから、もうどうかしている。内容には絶対の自信を持っているものだから、より劇的なソーシャル・リアリティの転換の方が面白いと思ってしまう。

 ビジネスでやっている調査会社の営業であれば、相手に気に入られるように、相手に必要なものを提供するのかもしれない。しかし、労働調査運動という明確なオルグ内容がある場合には、「みんなでやる」ことに共感されなければならない。お金を出して買ってもらうことのその先を求める。しかも、「結果を知るために調査をしてアクションを起こさないなら調査なんてやめた方がいい」、「調査というのは運動である」なんて厳しいことを言ったりする。組織によっては「面倒だな」と思われても無理はない。それでも、オルガナイザーは理解ある組合を探す旅をするのである。

 もともと研究所にはオルガナイザーなんていなかった。今ではオルグと研究員が大まかに分かれている大所帯となったが、以前は研究員が自身の調査で労働組合をオルグしていくことが当たり前のストロングスタイルで、オルグという概念を意識した体制にしたのはわずか20年ほど前である。研究所の共同調査、例えば最も代表的な「ON・I・ON2」は何と美しく構造化されているのだろうか、どれだけ効率的に有用な情報が得られるのかを、社会心理学を博士課程で学んだ研究員であれば誰もが分かっていたので、本人がその話をすればよかった。当時からブースにこもっている研究員はいたけれど、自分たちのやった調査結果をどのように組合が受け止めて活動に活かしていくのか、どうすれば組織や社会がより良くなるのかに関心を持っていない研究員はいなかった。

 今でも、オルグの観点を持つ研究員と、研究の観点を持つオルグとで構成されているのでどうぞご安心いただきたい。そして、オルグ専門の所員がいることで、労働調査運動や各研究プロジェクトのストーリーをより深く語り、各組織のストーリーに寄り添えるようになったことは間違いない。私たちからしてみたら、研究所の共同調査に参加するのは「外注」ではない。「内注」である。なぜなら、研究所は労働組合が事業点検を行い、共同調査は労働組合自身が知りたいことを設計しているからだ。

 経労研は「うちの研究所」と呼ばれることがある。経労研のデータをうまく活用してもらっている組織には自前の研究所だと思ってじゃんじゃん活用していただきたい。些細なことほど大歓迎。市役所でのような面倒な手続きは必要ないので、いつでも連絡お待ちしてます。

オルグ 吉浜智美

※コラムの内容は研究員個人の見解です。
 必ずしも研究所全体の考えを代表するものではありません。

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