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組合活動事例紹介:ライオン労働組合(2012)

「組合関与・組合評価BEST10」の組合関与においてランクインされている組織のユニオン・リーダーに、現状における組合活動の事例を直接お伺いすることができました。ここでは、ご許可いただきました内容を広く公開させていただき、個々の組合員がメンバーとして関与できる組合活動の展開の参考にしていただきたいと考えています。

河野陽介中央書記長にお話を伺いました。

 Q:組合員の、労組や活動への関与について、どのような実感を持っていますか。

組合員からはセミナーなどの企画をしてほしいという意見はあがっていますが、声をあげる人が増えてきたかという点ではまだ実感はありません。一方で、次にどのような企画をすればよいかというヒアリングを執行部でしている際には、組合員が自分たちで考えてくれるようになったと感じています。レクイベントなどある企画をしたら、それを次につなげていくように考えており、限られた資源で効率的に回すように心がけています。支部間でイベントを共有・診断し合い、切磋琢磨してより質の高い活動に繋げていく仕組みを整えています。

 Q:ベスト10にランクインされていることに対して、一言お願いします。       

結果には驚いており、光栄です。これにあぐらをかくことなく、結果に恥じないよう、さらに上を目指そうと思います。

 Q:組合員の関与アップに向けた現在の取り組(例)。       

 レイアウトセミナー (プレゼン資料の作り方、使えるプレゼンテクニック)
全社的に、社員の作成する資料が見にくい、伝えたいことが分からないと感じている人が多く、組合の労働環境部の一人の役員がこのセミナーを自主的に企画しました。非常にうまく作られているウェブサイトを見つけたので、作成者の方に講師を直接お願いしました。レイアウトの仕方や使用するフォント選びなどをはじめ、資料作成に有用な話をしていただいています。

 Q:この取り組みの対象や規模などについてお聞かせ下さい。

 マーケッター、営業職、研究職など全組合員を対象としています。まず東京支部で100名を対象に実施しましたが、その後、他支部にも広がり、現時点でトータル150名程度が参加しています。

 Q:この取り組みへの反響はいかがですか。

満足度はほぼ満点です。管理職のプレゼンテーションや、総務のウォームビズのポスターなど、全社的な作成資料が影響を受けているように思います。東京以外の支部でも希望する声があがるだけでなく、このセミナーを受けた人が、他の人に先生役として教えることで広がっているようです。

 Q:この取り組みは、今後も続けられるのですか。

 支部によって差が出ないよう、やりたい支部ではやれるように今後も展開していきたいです。この企画はコンテンツがよかったと思いますが、話し方セミナーなど、引き続きあがってきている希望を実現することが組合の目指す方向と合致しているかどうかについては、よく考えなければならないと思います。

 Q:関与の問題に切り込むに当たり、今回の調査を実施した単組の背景前回2006年に実施したON・I・ON2調査であがった4点の課題や弱みについて、重点的に活動してきましたので、今回の2011年の調査では、それが改善されたかどうかをみるという目的がありました。また、「2015年までにこうなりたい」という「ビジョン2015」を掲げていて、その目標と現在の活動が合致しているかどうかを振り返りました。調査結果は前回よりも改善がみられましたが、新たな課題が見つかりました。
Q:実際のアクションに結びつける上で調査が有効な点大義名分ができることはよいことだと思います。主観的に役員が話をして進めることは危険だと思います。(ライオン労組の場合)全組合員が調査の対象なので、組合員の声を反映した結果に対応することは、ある程度客観的なデータをもとにするという意味で自信になります。

 Q:実際のアクションに結びつける上で困難なこと

 大きな方向性を作るにはよいのですが、小さな意見を拾うことは難しいです。きらりと光るような、先を行っている意見を拾うのは別の方法ではないかと思います。また、他労組の話を聞くとより活発に活動しているところもあるので、もともと組合員の期待が低い労組の場合は、満足度が高く出やすいのではないかという気もしています。今回の組合関与8位というのはそれもあるのではないかと思います。さらに、(一時点の調査では)会社の経営状況なども結果に影響するのではないかと思いますので、単純な過去データとの比較は難しいかもしれません。

 2013.1.11 掲載


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