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地球儀  産業界の中枢が重厚長大型からソーシャル・メディア型に移ったことの帰結

(公社)国際経済労働研究所 所長 本山 美彦

 東西を問わず、政治権力は産業界との強い結びつきを必要としている。2大政党時代が維持される時は、産業界の中枢が一本にまとまらない時である。重厚長大型産業が、中枢を占めていた時代には、日本の政治権力も一本化されていなかった。とくに、OSをコピーできるパソコンが日本の業界で開発されてからは、IBM の支配下にあった企業集団と、IBMと対立しても脱米国という路線を歩みたいという新興勢力との差異が明確となり、政治権力も2派に分かれていた。重厚長大型      産業界の政治姿勢は同じではなかった。最終的には、脱米国派は政争に敗れ、この集団に属していた先端の技術者は日本を見捨ててヨーロッパ、中国、韓国に向かうことになった。ここから日本の重厚長大型技術水準が低下し始めたのである。

 21 世紀になると、産業界の中枢はソーシャル・メディアに移った。しかも、資本や売り上げの側面では、重厚長大型産業の何十倍もの規模を持つようになった。巨大なソーシャル・メディア企業は、夢想の世界でしか存在しない古典的な自由競争を信奉する集団である。この集団は、国家からの介入を拒否するが、自分たちは国家に介入するという政治思想で一致している。彼らは、それぞれ世界で何十億人ものアクティブ・ユーザーを抱えている。しかも、これら企業集団は 365日、24 時間、つねに彼らと対話している。町を歩く人、電車に乗ってい人、ほとんどの人が携帯電話を手に持っている。それが若い人たちのファッションになっている。人々は、始終、携帯電話に見入っている。日本でも、月間のアクティブ・ユーザー数は、LINE が1億人、YouTube が 7,300 人、Xが 6,800 人である(https://www.comnico.jp/we-love-social/sns-users)。

 2026 年 2月の日本の衆議院選挙は、日本もまた米国並みの SNS 選挙時代に突入してしまったことを示す選挙であった。

 ユーザーたちをふわふわとした心理作戦で保守政党に有利に働く手法を、ソーシャル・メディアは駆使したのである。

2026.4

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