活動情報
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早稲田大学社会科学総合学術院 教授 篠田 徹
前回このタイトルで寄稿してからずいぶんと年月が経った。これもひとえに小生の怠慢と不徳の致すところである。読者のみなさんに深くお詫びしたい。にもかかわらずふたたびこの貴重な寄稿の機会をお与え頂いた編集部にお礼申し上げたい。
このあと、本研究所の会員組合から頂戴した議案書を読んでいくことになるが、今回は再開第一回目として、なぜいま議案書を読むのかについて小生の思うところを述べたい。
まず、この欄をはじめてご覧になる方には「議案書?」という思いがおありかもしれない。議案書とは、労働組合が毎年開く大会で配られる書類や冊子のことで、普通そこには前回大会から一年、その組合が何をしてきたのかという記録と、この大会から向こう一年この労組が何をするのかという提案が書かれており、大会ではその過去と現在と未来を話し合うことになる。
この説明でお分かりのように、議案書はいわばその労組がなにものであるかを表す「顔」である。同時に毎年大会が行われるたびに議案書が作られるわけで、組合と組合員の数とその労組が存在する年の数だけある議案書は、日本の組合の膨大だが貴重な資料群である。
議案書は印刷され、大会で配られたあとは、 組合の事務所に少なくとも一部は保管される。 ほかにも労組は印刷物が多いので、これらの保管には場所が要る。かつてこの問題は、事務所のスペースが限られている労組には頭の痛いことだった。幸いにも近年のデジタル化で、この問題は多少解決したのではないだろうか。いきなりのお願いで洵に恐縮だが、それぞれの労組には貴重な資料である議案書の保管をこれからも宜しくお願いしたい。
議案書はいうまでもなく、その内容からして、 もちろんまずはそれを発行する労組とその組合員のものである。というのもそこに記載されている内容は、基本的にすべて組合員が話し合って決めたことに関してのものだからだ。その意味で、議案書はすべて「手作り」といっていい。
昔は、といってもぼくが学生時代の頃までは、
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