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3-1 エンゲージメント~満足から関与へ

 これまで20年間、国際経済労働研究所では「組合員の満足」ではなく、「組合員の関与」を提唱してきましたが、最近、経営の世界においても「エンゲージメント」、つまり「関与」ということが注目されています。例えば、従業員満足ではなく、従業員エンゲージメント、顧客満足ではなく、顧客エンゲージメントと言ったキーワードをよく目にするようになりました。

 「お客様は神様」として顧客の満足を追及してきた結果、世の中はモンスターだらけになってしまいました。「満足」とは期待値と実際のパフォーマンスとの差であり、期待値がどんどん高まると、それを上回るパフォーマンスを得ることができなくなり、満足も感謝も生まなくなってしまいます。顧客満足で競争していくと、最終的には誰も満足しない社会になります。どの産業で働く人も、他産業で働く人からみれば顧客です。お互いがエンゲージし、ファンとなって行動できる関係になれば、適正な価格での取引や適正な産業構造を創出することもできます。そろそろ「お客様はお互い様」という意識に変えていく時なのです。

 


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