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3-3 起点は志

労働組合は、メンバーが「何とかしたい」と思うことの実現に向けて運動を起こすことができる、そして実際に実現できる運動体です。現在取り組んでいる活動が労働組合でできることのすべてではなく、活動の規模や領域をいくらでも拡大できる可能性を持った組織なのです。自分の職場や自分の会社といった“身内”のことしか視野になければ、その範囲の活動しかできません。しかし、他の産業、地域・社会などにも思いをめぐらせた時、個人ではなかなか力が及ばないマクロな課題に対しても運動を起こすことができる、きわめて社会的な存在であるといえます。

 「弱者である労働者の生活水準の向上」や「民主主義」「共産主義」といった、既に沈んでしまったかつての「夕陽」ではなく、それに向かって自ら走ることのできる新たな「夕陽」を見つけ、その方向に走り出すために仲間を募る。それこそが本来のオルグです。

 「目指すべき夕陽が何なのか」は、待っていれば誰かが教えてくれるものではなく、もちろんON・I・ON2調査の報告書に答えが書かれているわけでもありません。起点は、人の熱い思い、志です。「自分の仕事に誇りをもちたい」「家庭や趣味も大事にしたい」と願う人もあれば、「地元を元気にしたい」「日本に雇用を残したい」と本気で考える人もいるはずです。思いはさまざまあるでしょうが、肝は、それを自らの問題ととらえ、自ら行動を起こすこと。組合運動は、そこから始まります。

 


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