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1-3 お客様からメンバーへ

 そこで、ON・I・ON2調査では「お客様としての組合活動の評価」ではなく、「メンバーとしての関与」、つまり、そもそも組合に関わる気があるのか、どんなことであれば一緒にやりたいかを尋ねています。組合員はお客様ではなく、本来はメンバーであるという考え方に立って設計しました。組合で調査をすると、執行部の成績表のようにとらえる人も少なくありません。しかし、この調査の結果は、むしろ自分の職場や会社の問題を人任せにせず、自分自身で解決しようとする意志があるかどうかを問う、組合員の成績表なのです。

経営者は多くの経営指標を参考に、不採算部門からは撤退し、これから伸びるだろう分野に投資をします。組合では、活動のスクラップ&ビルドという言葉をよく聞きますが、そのための指標がなかったことが問題でした。ON・I・ON2では、「組合員がその活動にいかに関与するか」を指標にすることを提案しています。
 スクラップと言っても、100%要らないものなど探してもみつかりません。求められているのは、優先順位をつけることです。一方で、たとえ組合員に関心がなくても、執行部が「これは組合でやるべき」と判断したことがあれば、つまり、執行部自身が関与するならば、組合員に必要性を訴えなければなりません。そのための基準を「組合員の関与」「組合役員自身の関与」とすることを提案しているのです。

ただ、指標を提示し、測定するだけでは、ほとんどの組合で関与水準が高まらなかったのが現実です。そこで、関与の重要性や関与型の活動とは何かということを一緒に議論し始めました。機関誌の書き方や研修のあり方、組合員の巻き込み方などなど。たくさんのアイデアが芽生え、そこから着実にアクションに移した組合では関与が上がり始めるという変化が生まれています。
 


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