プレスリリース

労働政治研究事業部の山本研究員は、2022年参院選後に当研究所が実施した意識調査のデータを分析し、「職場の意思決定に参加できていると感じている労働者ほど、選挙での投票に積極的である」という仮説を検証しました。
その成果をまとめた論文が、『京都社会学年報』32号に「職場は労働者の『民主主義の学校』になりうるか」として掲載されました。
分析に用いたのは、全国の労働組合が共同で参加した政治意識調査のデータです。分析の結果、「同僚と納得がいくまで話し合える」「職場に問題があれば、ともに解決できる仲間がいる」と感じている組合員ほど、投票率が高いことが明らかになりました。
この結果は、統計解析によって他の様々な要因の影響を取り除いても確認されました。すなわち、意思決定への参加経験自体が、投票をはじめとする政治参加を促す可能性が示唆されます。
■研究員コメント
「投票の促進」というと、私たちの思考は「啓発活動によって政治にたいする関心を高める」といった「いかにも政治っぽい対策」へと狭まりがちです。
しかし本当は、一見したところ「政治っぽく」はない日常の生活領域のなかに、政治にたいする関心の土壌があるのではないか、そこにもっと目を向けるべきではないか、というのがこの論文のメッセージです。裏を返せば、土壌が育っていないところで啓発活動を展開しても効果は限定的である、ということでもあり、これからの啓発活動にたいしても実践的なメッセージを含むものだと考えています。
【掲載情報】
『京都社会学年報』32号(2024年12月発行)
山本耕平「職場は労働者の『民主主義の学校』になりうるか――労働組合員の投票行動・政治意識に関する調査からの示唆」
http://hdl.handle.net/2433/293657
※全文PDFダウンロード可
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