本サイトへ戻る
カテゴリー一覧

【2019年1月号】生活行動における文化と契約

新年おめでとう。今年もよろしく。

さて、今年は2019年、あと1年で2020年である。何かこだわるわけではないが、新年を迎えて思うことといえば、何故か未来性のあることが多い。正月というのは「1年の計」と言ったりして、誰しもそのあたりを思いめぐらす機会が多いのかも しれない。

現代は高度なイノベーションの時代であり、毎年、様々な機会に発明・発見・活用を考えたり、提案したりする感覚や行動が多くなっているように思われる。その意味で様々に思い至ることがある。

1990年代以来、新たに開発される様々な新商品の発売やサービスの開始が2020年代にあるという予告や宣伝が あって、何か記憶の一端として保持されていた可能性があり、 それが思い起こされる機会にめぐまれているかのようである。

現代は商品の多様化やサービスの開始は全く溢れるが 如くで、少々の買い忘れや買い逃しは気にならなくなってい る。市場や社会のシステムもそれを前提に成立しているようである。ただ、この便利さは一般に共通化しているかとも思うが、海外に滞在したり旅をすると必ずしも当方が予定したり期待するほどでないこともあるのでわが国がこの種のサービ スでかなり進んでいるようにも思われる。

ただ、わが国でこの種の関係がかなり進んでいることは確かだが、これにも特有の理由があるように思われる。必ずしもすべてに当てはまらないが、個人契約概念は欧米の場合かなり厳密に進んでいるので、契約事項にかかわる人間関係は欧米の場合、密度が高いが、わが国の場合は、これに比べるとややルーズである。これは思うに、欧米の場合、多民族社会が多く、契約やサービスの個性差はやや少なく、共通性が強いのではないかと見られる。

「文化」というものは、芸術・芸能といった様式美にかかわる分野を持つ一方で、ライフスタイルや「しぐさ」といった個性にかかわる生活行動をも含むので、幅が広いためにその共通性の範囲は極めて広いだけでなく、領域や境界は無限大ともいえるほど広い。そこに「人間らしさ」もあるのだが「むつかしさ」もあるといえよう。

(会長 板東 慧)


地球儀 の他の最新記事