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【2017年5/6月号】北朝鮮のミサイル挑発と世界

5月22日早朝、またも北朝鮮によるミサイル挑発があった。 このところ引き続いてあったものがほんの一時止まっていた が、また復活した。決して豊かでない経済の中で、国民の生 活は平均的に見ても貧困の渦中にあるとみられるが、何の ためにこれほど執拗な噴射が続くのか、疑問の多いところ だ。実験ということからすれば、すでにその回数からみても、 発射位置や着地位置からみても既にその経験は終えている ものといえようが、その意図はあるのだろうか。世界各国から みても、既にその実験的目標は達成したとみられるが、ある いは威嚇効果から見てももはや意味のあることとは見られな いので、首をかしげたくなる。何か、北朝鮮指導層の見解の 不一致や混乱が反映されているのではないか、とも思える。

もともとは、北朝鮮に技術を提供しサポートしてきたのはロ シアであるし、今日でもそれは変わりないし、西側の動きに対 しても疑心を持ってきたし、特に欧州においてEUそのものが 対ロ封鎖的な役割を持っているので不信があるために、北 朝鮮に対して抑制的ではないが、それでもあえて西側の動き に抵抗をするのでもないだろうから、その意味で消極的なこ とはあろう。しかし、中国はもともと北朝鮮を同盟国として行 動を共にしてきたが、最近中国が「一帯一路会議」を開催し てその構想を展開しようとした真っ最中に北朝鮮がミサイル と飛ばすなど、いわば中国の国際的面子をつぶす行動に 出るなど、明確な違和感が表明され、中国もそれ以前より北 朝鮮に違和感を持ち始め、すでに4月に米大統領トランプの 招きでフロリダでの会談で習金平主席は北朝鮮抑制を確約 して積極的に動き始めていたことは明らかであった。

このような中朝の違和感から反日への動きと北朝鮮のミサ イル噴射の継続とは明らかに関連する。そこで世界的にも注 目の的となり、東アジアの緊張を激化する北朝鮮の挑発をど う抑制するかは世界的課題となってきたが、これはかなり深 刻な課題となり、今後の国際協力による北朝鮮抑制の方向 は重要な課題としてその方策が模索されることとなった。
(会長・板東 慧)


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